(2003年8月18日)
|
千葉県内で発生した犯罪の総数(刑法犯の認知件数)は、ことし1月から6月末までの半年間で8万2000件を超え、前年同期にくらべて5%増のワースト記録更新となりました。
行徳警察署管内の犯罪発生状況は、おなじ半年間で2580件。前年は1年間の総数が5847件、6か月平均は2923件だったので、行徳地区だけでみると約1割減のペース。
しかし、「侵入盗」「車上狙い」「自転車盗」の三大罪種の発生件数はあいかわらず多く、警察ではより一層の注意と防犯への“共働”を呼びかけています。
8月4日(月)午後6時30分から、市川市行徳防犯協会が主催する「行徳地区市民防犯のつどい」が行徳公民館で開催されました。上記の数字は、来賓あいさつのなかで笠井・行徳警察署長が明らかにしたもの(表は行徳警察・生活安全課による)。
管内での犯罪はやや減少傾向にあるものの、行徳署が目標とする前年比20%減の実現には至っていません。とくに、空き巣を中心とする侵入盗が半年で556件発生していて、全体の21%を占めています。また、ひったくりや路上強盗などの公共空間犯罪の増加傾向も深刻で、犯罪発生後の検挙だけでなく未然の予防が必要不可欠になってきています。
行徳警察の平田・生活安全課長によると、「行徳地区の人口は14万人を超えていて、単純平均で警察官ひとりあたり1000人の住民を担当する計算になる」とのことで、増えつづける巧妙かつ組織的犯罪の発生には追いつかないのが現状といえます。
千葉県警では、警察と地域が一体となって防犯にあたる“共働”を提唱していますが、防犯協会による地域パトロールや防犯キャンペーンなどの取りくみは各地である程度の成果を挙げているようです。行徳署では、自治会長・町内会長宛てに自主防犯活動の推進に関する依頼状を送付し、また駐車場管理者にも防犯対策に関する協力を要請しています。
警察による情報開示がすすんできた犯罪発生状況などのデータは、いたずらに恐怖心をあおるものではなく、むしろ身近な犯罪発生への心がまえをうながすものです。さらに、「地域の安全は地域で守る」という防犯意識の向上が、いま求められているともいえるでしょう。