(2003年6月2日)
行徳警察署管内では、ことしに入ってから1日平均14件の犯罪がおきています。その中でも“3大罪種”といえるのが、空き巣、自転車盗難、車上荒らし。ほかに、ひったくりの被害もあい変わらず減っていません。
警察では、地域による監視の目を強化することが犯罪防止に効果的として、「警察だけでなく、民間と行政と地域の力を合わせる必要がある」と訴えています。
5月26日(月)午後6時30分から、行徳公民館で「市川市行徳防犯協会」の平成15年度総会が開催されました。上記の犯罪発生状況は、来賓として出席した行徳警察署長があいさつのなかで明らかにしたものです。
行徳地区全体の刑法犯認知件数は、1月から4月までに1687件と、前年同期にくらべて189件減少しています。しかし、行徳警察が空き巣や車上狙いの対策強化とともに年頭に掲げた、対前年比20%減の目標にはとどいていません。内訳をみると、いちばん多いのが空き巣の411件。これに、自転車盗の378件、車上狙いの358件がつづきます。
日本の警察は、これまで「検挙に勝る防犯なし」とのかんがえにもとづき、犯罪を未然に防ぐことよりは犯罪発生後の犯人逮捕を優先してきました。しかし、犯罪の増加は全国的な問題で、1997年に200万件未満だった認知件数が2002年には300万件に迫り、この5年間で1.5倍に増えています。なかでも多いのがピッキングによる空き巣やひったくりなどの窃盗犯で、犯罪の手口はますます巧妙かつ凶悪になっています。
市川市行徳防犯協会は、行徳警察署と市川市、事業所組合、自治会・町内会が中心となって組織され、行徳地区での防犯キャンペーンをおこなうほか、自治会レベルでの防犯への取りくみなどを支援しています。しかし、人口が急増している妙典4・5・6丁目では、2000世帯を超える居住者のうち、昨年発足したばかりの妙典南自治会への加入はまだ1割程度とみられ、自治会を軸とした防犯活動だけでは十分とはいえません。
行徳警察では、警察官の増員にも限度があるため昨今の状況を“警察の転機”としてとらえ、“共働”による防犯への理解と幅広い協力を呼びかけています。「決して警察のギブアップ宣言ではない」とはいうものの、管内に3台しかないパトカー(最近までは2台!)など、早急な改善が期待される体制上の問題がまだあることも事実といえるでしょう。
付記: 拳銃使用の郵便局強盗事件について
4月24日午後0時50分ごろ、市川幸郵便局(幸2丁目)で、男が客を羽交い絞めにし、局員に拳銃を突きつけ「金を出せ」と脅し、現金約50万円を強奪。拳銃を1発発射し、車で逃走。犯人は年齢30歳代の男1人。身長175センチメートルくらい。灰色のパーカーと白マスク、サングラスを着用。(以上、Police
Net Chiba「事件・事故ファイル」より)
本件に関して総会終了後に出された一般質疑に対し、行徳警察・生活安全課から「犯人はまだ逮捕できていない。事件発生後、犯人は車ですぐ遠方に逃走したもよう」との回答がありました。
参考: 千葉県警察のホームページ「Police Net Chiba」